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説明文

ギャングスタラッパー若手筆頭のリル・ダーク。フレンチ・モンタナがDef Jam傘下に設立したレーベルCoke Boysと契約を交わしたのが約2年も前の事であるが、水面下での活動を経てリリースした今作「Remember My Name」が自身初のメジャーアルバムとなった。シカゴ南部の非常に治安の悪いエリアで育ち元ギャングのメンバーという出自の持ち主であるリル・ダークは、逮捕歴がある他に2015年3月には担当マネージャーが射殺される悲劇に見舞われる等々、ギャングスタラッパーらしくトラブルには事欠かない。このギャング上がりという経歴はアメリカのラッパーとしては珍しい事では無く・・・というか寧ろスタンダードな経歴とも言えるが、ありふれたギャングスタラップとは一線を画す事が出来るかどうかが今後のキャリアの鍵を握るだろう。 今作からのリードシングル‘‘Like Me’’はゲストにジェレマイが参加し、プロデュースはVinylzとBoy-1 daが担当したメロウなナンバー。なかなか聴きやすい佳作といったところ。Logicをフィーチャーし印象的なフックのシャウトを聴かせる‘‘Tryna Tryna’’ではハードコアな一面を見せ、‘‘500 Homicides’’や‘‘Higher’’のようなルーズなビートでも苦にしないラップのスキルも披露する。粒揃いの楽曲が並ぶ今作はメジャーデビューアルバムとしては上々の出来だが、欲を言えばもう一つ突き抜けたパンチが欲しかった。リル・ダークが産まれた1992年は奇しくもギャングスタラップのレジェンドDr. Dreが「The Chronic」で全米に大旋風を巻き起こした年である。世代が一回りしても衰退せずカルチャーとして根付いたギャングスタラッパーの中でキングを目指すならやはりDr. Dreやスヌープのようなインパクトを残さなくてはなるまい。しかしながら今作「Remember My Name」では光る才能の片鱗を見せ、リル・ダークが次世代のギャングスタキングの候補の一人である事を印象付けることには成功している。今後の活動も要注意だ。
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