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説明文

僕は昔、石神井公園近くの6畳一間のアパートに住んでました。月6000円、トイレあり、風呂無しです。駅に近かった。商店街のアーケードの中で隣はパン屋で、アパートの入口はパン屋とアパートの人半ぶん程の隙間を入って2階に上がるとその小さな部屋がありまがした。外に面した部屋の壁と柱の間には薄い隙間があり、部屋に置いた観葉植物の葉が、部屋の窓を閉めても毎日、風で揺れていました。パン屋のイースト菌が発酵したような匂いもそこから入ってきてました。でも、そんな部屋でも僕は自分の世界、自分が世界の中心であることを日々、そこに蓄えていったのです。Rゲージのレールと車輌を自分の部屋の生活圏沿いに走らせ。神保町に通って買った古本を壁に積み上げ。その横にはディスクユニオンで買ったCDやレコードがタワーとなり並んでいました。小さな台所には色とりどりスパイス類があり、この町で過ごすには十分の少数の友達が時々遊びに来ては、快適そうに過ごしていきました。もちろん、泊まるスペースは彼らにはありませんし、彼女とは圧縮した状態で夜を明かしましたが、壁が薄いので特殊な会話には気を使いました。そう言えば、隣人はこちらは気配を感じることはありましたが、一度も会うことはありませんでした。つまり、電子音楽はミニマルを志向しているのではなく、こういう内容の濃い6畳を単位として増殖していっている、ということではないでしょうか。
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