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説明文

失われた。 というよりも 奪われた。 という感覚に近い。 齢を重ね経験に飽いた老年の三年間と若い芽が育つように養分を吸収する子供の三年間は等しいか?同質の価値を持った時間だと簡単に云いきれるか? 時間は時計の針のとおりに進むものではなく各々の感覚の中で速くも遅くもなり止まることもある。時間の密度は常に相対的であって時間は常に感覚と経験値によって変動するものだ。 入学式から卒業式までマスクをし続けた子供たちは自分たちが何によって何のためにそんな生活を強いられたのか?又それ以上に彼らが何を奪われたのかさえ気づくことはないだろう。彼らはそれ以外の学生生活を経験したことがないのだから。 大人になり振り返った時彼らは先生の顔も同級生の顔も思い浮かべることが出来ないだろう。好きな女の子の顔さえも。 のっぺらぼうの社会に取り込まれ自らも一人ののっぺらぼうとして埋没していく子供たち。 彼らのアイデンティティは消失しやがて自分が本当にそこに存在していたのかさえ怪しむに違いない。 不在。不在の時間。
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