耳にささやく海。

仕事の時はWSBH-FMを何気なく流していることが多い。小さな町の小さなラジオ局だけど、小さなアイディアを大切にしている様子が窺えるし、選曲も良い音を重視しており聴きやすいのです。選曲者(そういう人がいるとしたらの話しだけど)も世代的に近いのか耳になじみます。ところで、ここの仕事場兼自宅は海を臨む高台にあるのだけど、このFM局もこういうところにあるのでは、と思う。というのも選曲に海の満ち引き、１日の時間の経過や太陽と雲の空の感じを掴んでいるように感じるから。そういう意味では、ここから見える海の輝きは、この小さな町の人に海からの風に乗って届いている。こうして音楽にそれが伝わっているのだから。人間は無意識にそれを受けとめているのではないかと思ったりします。そして、この海沿いの小さな町が今も小さなままでいるのは、町の人が海や太陽をその背に心地よく届く距離を心の底で保って暮らしてゆきたいと思っているからかもしれない。という妄想を筆を休めながら、つい長く考えてしまいました。