AWA

マーメイドシアター

2,315
16
  • 2022.12.07
  • 4:53
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歌詞

月が溺れるような夜に、 私は恋を知りました。 だけど、貴方の瞳の隅にさえ、 映れないのでしょうか。 ……名も知らぬ王子さま。 まるで、 空を飛んだ海月。 陸を奏でる海星。 夜に濡れる横顔が、 私の心を奪いました。 勇敢で、麗しくて、だけど優しい。 そんな貴方が好きよ。 例え荒潮[あらし]に没んだって、 すぐ迎えに行くから。 漂う海の泡沫[あわ]でもいい。 「貴方の世界の一部」でいさせて。 そして貴方が目を覚まさぬうちに、 真珠のようなキスをして。 ……でも現実は、 貴方を見るだけで、 なぜか声を失うの。 こんな航海[こうかい] するくらいなら、 声をかければよかった。 「仮面の裏」なんて恐れず、 勇気をだそう、今度こそは。 貝殻をアクセにして、 大きな海布をドレスにして纏う。 きれいになって、会いに行くんだ。 午前0時は、貴方と……。 貴方が落とす細波[なみ]ですら、 私の世界じゃ全部たからもの。 だけど貴方も目を奪われたみたい。 珊瑚のような美しさに。 瞼[め]の裏の横顔にのぼせて、 なにバカな恋を 夢みちゃったんでしょう。 冷たい海で泡沫[あわ]になって、 もう消え去ってしまいたい。 貴方の海を人知れず揺蕩う、 私はまるで人魚[マーメイド]。 瞳に映る。もう横顔じゃない。 あぁ。私だけの、王子さま。 いつの間にか女の子が忘れてく、 おとぎ話は有り得るみたい。 強く、可愛く、 少し強欲[わがまま]に。 今この瞬間は、お姫さま。 例えこれで、恋やぶれてもいいの。 さぁ、声を出して――。

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