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老女優の回転木馬

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  • 2019.07.14
  • 5:04
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歌詞

あれはまだ あたいが駆け出しの舞台女優 セリフのひとつも もらえていなかった、そんな頃… 1人の優しい男に出会った 名前はミッシェル パリに出て来たばかりの 貧しい絵描きだった お腹が空いたら 公園で芝生を食べていた それがハングリー精神だって 信じていたの おバカさん あたいをモデルによく絵を描いたわ 『ヴィーナスの誕生』みたいな絵 その絵が高く売れて 男は一躍有名に お金を手に入れた男は 行方をくらました 作品のタイトルを見たら 『人間の筋肉のしくみ』 人体の解剖図だった モデルなんて必要なかったわ あたいの回転木馬は くるくるよく回って Ah 振り落とされた うしなった恋と引換えにあたいは ようやくセリフ付きの役をもらった 主役をさらう 悪い宇宙人の役だったわ そんな頃… 1人の身軽な男に出会った 名前はニコライ ロシアのサーカス団の 空中ブランコ乗りだった パリの街を屋根伝いに 渡り歩いていた どの家に行くにも 煙突から出入りしていた 間違えてよく他人の家に 入っちゃうって笑ってた 昼間は人の目が気になるから いやだと言って 真夜中にばかり 出歩くようになっていった だんだん部屋には 見慣れない宝石や絵画が 警察が来て男は煙突から逃げた あたい1人がブタ箱に あたいの回転木馬は くるくるよく回って Ah 顔から落ちた あたいは続いて 映画の端役をつかんだ 冒頭で殺される死体の役だったわ そんな頃… 1人のたくましい男に出会った 名前はグザビエ 気性の荒々しい マルセイユの船乗りだった 肩幅がひろくて 鳥がよくそこで羽根を休めていた カモメなら10羽、 ハトなら14羽止まれた つよく抱きしめられて 肋骨が3本折れた ぎゅっと手をにぎられて 複雑骨せつした 肩をつかまれて 鎖骨が陥ぼつした だけど映画は 全身骨折した死体の役 体を張った役作りと絶賛されたわ 全治14カ月 (痛い...痛い...) 退院してきたあたいは テレビドラマのプロデューサーを ホテルのロビーに呼び出した 二週間待ったけど現れなかった そんな頃… 1人の地味な男に出会った 名前は… わからない 黒人だったのか 日焼けした白人だったのか… わからない 天然パーマだったのか パーマをかけていたのか… わからない 半袖だったか長袖だったか 7分袖だったか… わからない 大きい目だったか 遠視用のメガネのせいで 大きく見えたのか… わからない もしかしたら声の低い女 だったのかも… わからない もしかしたら若作りした年寄り だったのかも… わからない アタッシュケースを渡されて どこかに運んで誰かに渡したような 頭に器具を付けてそれらの記憶を すべて消されたような あたいの回転木馬は くるくるよく回って 振り落とされて 木馬のネジが外れて 顔の上に倒れてきて Ah 痛い

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