歌を歌うのが得意な あの鳥が声殺した 2丁目の路地裏で 姿隠し縮こまった 朝日を呼ぶのが得意で シスターのように今日も Dメジャーの旋律で 歌を奏でるはずだった マゼンタに染まる頬が 汚れた空気に馴染んだ 曇った眼差しの奥で 諦めたように笑った アイツに届くはずだった Dメジャーの旋律が Bマイナーのポルカに 悲しく変わる 灰色の空が繰り返す夜 恐れた 当たり前のような朝 恋しくて 耳にしたはずのホトトギスの泣き声が いつからか 涙になる 君がわからなくなった 僕がわからなくなった Bマイナーの旋律を 口笛吹いた 超音波より速く 電磁波より激しく 声にならない歌が 深く脳裏に染み込んだ アイツに届くはずだった Dメジャーの旋律が Bマイナーのポルカに 鋭く変わる 藍色の朝焼けを待ち侘び、飛び出した 砂嵐が告げる終わり、恐れ 耳にしたはずのホトトギスの泣き声が 逞しく 胸に宿る 青い星は今日明日も 軌道を逸れないと信じ Bマイナーのポルカを 口笛吹いた