あの谷の麓、 白樺の葉が揺れる前に見つけよう。 知恵を土に埋めて、 今日を空に返して、 溺れるように 僕だけに終わらせて 風が 体温を通り抜けていく。 最早それくらいのことだった 置いていかれたこの身に 変わらない六十秒が着々と 増えるでもなく減るでもない 飲み込もうとしている 「ねぇ、ジプシー そんな風に笑う理由を僕にくれよ」 なんて言えば君は言うさ 「冗談やめてくれよ」 物憂げな顔 目の奥で沈む朝 そこまでヤワじゃないさ 天邪鬼が手を引く それならここで、解放して 君には気づいてほしいんだ 一番先に光る星の在り処