そのドライブウェイを 端から食い剥がす物語の群れ 銀輪の錆びた鉄の匂い咽ぶ春風の束 玩具箱に閉じたような 古絵本に隠したような 何処かに出口があった 霞んだバイパスの向こうへ 誰も彼もが小細工を失くし 立ち竦んでいる 冷え切ったカメラ エンドロールばかり撮り直している 空回っては宙を舞って 渇き切って散った瞳孔 手遅れている 発車ベルは遠く 散々僕を引き摺り回し 何食わぬ顔の毎日に だんだん何故か溺れるように されるがままになっていた 意味はあってもなくてもいいさ もっと手遅れろ フェアウェル! 物語はまだ息切れもせず 加速する様相 君は東天にダッチロールして 不時着の模様 滑り出した最終列車 トワイライトの鳴る方へ 手を引いてくれ 焼べる凱歌の色 散々僕が引き摺り回し 台無しにした毎日を だんだん何故か盲目的に 愛せるようになっていた 意味はあってもなくてもいいさ もっと手遅れよう この夜が明ければ 嵐に惑っていても 出口にきっと会える でもどうしても 息ができない 明日を願うほど