夜の凛とした匂いが 季節かはたまたあなたがいないせい か。 秋に澄んだ金木犀の香りは あなたの手首、仄かに香る 香水に似てた。 夜の公園で 「また逢えたらいいね、さよな ら。」 なんて全てずるいな、ああ。 あなたの残り香浮かぶベッド ただ、夜は耽ける。 あなたが老けるまでその全てを愛し ても あなたは行ってしまったね。 居なくなった部屋だけ ゆらゆら沈んでいく。 「私はあなたが居なくっても。」 なんて今更強がってみてもまだ、 知らない香水の匂いばかり染み付い て 今も涙で夜は続いている。 あなたの嫌いなものは 人よりよく知っていたつもりだった けど あなたが1番嫌いなものは多分 タバコじゃなくて、おばけじゃなく て 私だったんだね。 夜の公園の隅、見上げた夜空 吸い込まれそう、 泣きそうになるほど。 あなたの残り香浮かぶベッド ただ、夜は耽ける。 あなたが老けるまでその全てを愛し ても あなたは行ってしまったね。 居なくなった部屋だけ ゆらゆら沈んでいく。 「私はあなたが居なくっても。」 なんて今更、強がってみたりして 戻れないあの日を少し 期待してまた私は嘘をつく。 「気になる人ができたの。」