黙って座ればマスターが いつものお酒つくってくれる ピンボールマシンのベルの音 流れるジャズも変わらない “久しぶりだね””忙しかったの” “幸せにかい?””不幸せによ” 灯ともし頃のスナックは まるで心の病院みたい カクテルグラスの薬を飲めば けだるい疲れが消えるよう <> 最初にドアを押したのは 20才の恋を失くしたその日 お店の名前の「シェルブール」 また会う時に賭けたくて “今夜どうだい?” ”ひとりで眠るわ” “もったいないね” ”ぜいたくなのよ” ジョークで誘う仲間たち かわす会話も上手になって 人生なんて言葉を口に めぐった月日を数えてる <> ガラスのドアが開くたび 振り向く癖は直らないけど もしもあなたが入って来ても “お元気そうね”と笑えそう