教室の隅ホックを締めた君へ

歌詞

春という字 漢字で書けぬ 中三の私は 卒業式の今日に三年間を振り返る 一人って事実消すのなんてとても 簡単だ 机 板書 勉強してる事実作る それだけでいい 文字で埋め尽くされたくせに 参考書は喋らない どっちもだんまり 休み時間 十分間をやり過ごす クラスの内情に本当冷める イケてない奴を笑えば イケてると称され 地位保証される 奴等は今を生きる天才だ 俺は今を食いしばって 将来笑うってそう決めたんだ 漫画の主役には馬鹿が多いから 優等生の俺は世の中において 脇役のようだ 桜のブーケ 俺も人並みに心揺れ 風に表紙めくられ 自分がいない風景 読めないほど寄せられた寄せ書きと 真対称 が俺も一緒読めない 白いままのページ 94点を折りたたむ者の気持ちは 6点を隠す同級生には分かるまい テレビのスターと自分を 重ねだぶらせ 一新スタート それも「中二病」とジャンル分け 女子の笑い声が自分に向いている 気がする 歩き方が合ってるか 登校中不安になる 俺自身でさえ 俺が必要じゃないのに 学校や社会が俺を必要とするか? 全身で傷つけ 若いうちに苦しめ 思っくそ悩め 何一つ悟んな 学生時代なんて言ってやるよ ただの過去だ 子供なのに大人演じ 違わず不格好だ 奴等だって必死だ みんな同い年だ 笑うことで保つな お前だって必死だ 混ざれない寂しさが恐ろしくて 混ざりたいと 思わないように努力してたろ? 50メートル6秒台 健全な肉体より 先生出す宿題 解 導き出すことに必死になる 弁当箱のミッキーマウス ずっと笑顔だ 唯一強く物言える 母親を思い出す 昨日言った一言 彼女だって人の子 壁に向けた暴力 悲しそうな表情 謝ろうとしてまた強く怒鳴りつけ 弾く両腕を持つゆえに 優しさが憎い 教室からグラウンドを見る 授業合間 普段通り あー鬱陶しい 休み時間 動くなんて無駄な浪費 輪にいるアピールに見える ドッジボール 唾吐く自分 羨む自分 どっちも僕 根性焼きのない腕 根性を見せ暗記系 何べんも書いて覚える そこへ刺さる視線 クラス内の居心地と覚えた単語 反比例 「しんどいこと避けずやれる俺は 強い人間」 哀れみを向けるイケメン おしゃれ女子に引け目 唯一誇り持てたそれも「ガリ勉」 で片付く 容姿良い者同士 初体験を早々に 結局は努力なしの外見で差がつく 頭ん中じゃあいつに喧嘩片手で 勝てる 頭ん中じゃあいつの女ともう 五回以上はやってる 嫌って言うほど あいつらを軽蔑してるくせ 名前で呼ばれた時に不覚にも 嬉しさが溢れた そのままでいいと 思っているのならば そのままでいい 無理をする必要がない けれど無理して このままでいいと 思っているのならば 無理をせずに済む時に そこから出なさい 高校デビューを笑う 奴がいたとすれば 中学はインディーズだったと言える 強さと勇気を いい意味で人は変われる いや変わってく 心覆う雲は時とともにやがて晴れる 道や進路バラバラに 環境は様々に 激動の中学び 同世代は仲間達 見下されることで人を 見下さなくなって 傷ついて昔にした過ちに気付いて 生きていると転ぶから 生きていると丸くなる それぞれに歪だった形 みんな似てくる 想像できるか? 何年後かに君は 彼ら達と肩を並べ 乾杯をするんだ