Track byn-buna
春を歩く。 街を歩く。河原を歩く。 並木を歩く。校舎裏を歩く。 空を歩く。砂漠を行く。 森を往く。月を征く。 歩みを進めるたびにちらつく追憶は まるで冬の残骸だ。 脳裏に焼きついたかつての幸せは、 言ってみれば一雫の不幸せ。 心の片隅にまるで癌みたいに こべり付いていて、 空いた穴からは日々涙が落ちる。 その垂れた数滴の着弾点、 東京都心の更に真ん中。 人生というやつだ。 そこで僕たちは旅をしている。