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さくら坂イルミネーション

Track by狐火

91
1
  • 2021.11.05
  • 5:01
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歌詞

大学4年の時に1年生だった後輩が 久しぶりに投稿したSNSで 35歳の誕生日を迎えていて いや、うそでしょ いってもまだ 20代後半くらいかと思ってた そんなに 時間が過ぎてたんだ そりゃオレも歳を取るわけだ 同窓会したかったけど、 ほらオレ達の代って あんまり今みたいに SNSやってなかったから かといって メールアドレスにメールしても何か 繋がらない奴多いし かといって全員に電話するのも 久しぶり過ぎて気が引けるよね 10年に一度くらいはみんなで 集まろうなんて言ってたのにね 結婚式とかで再開する度に半年に1 度は集まろうなんて言ってたのにね さくら坂を通る度に思い出すよ いつもみんな口ばっかりだからなぁ でも、 相変わらずでそれはそれでいいんだ けど もしかして、このまま もう一生会う事なかったりして そしたら、 あいつと最後に会ったのって いつだったんだろ あぁ、 そこのビルの屋上のレストランでの 後輩の結婚式の二次会か あんまり料理出ないのに1 万円かよって みんな笑いながら愚痴ってたっけ あの日は朝まで 飲んだから合計五次会くらいまで いったのかな みんな元気なのかなぁ たまには飲みに誘いたいけど あいつも子供産まれたばかりで 大変そうだしな 先輩の LINEの名前がフルネームから 下の名前だけになってたんだけど もしかして離婚とかしたのかなぁ でも、まぁ、 あえて聞くこともないよね お互い良い年だし、離婚や再婚とか 知らないだけでみんなしてるのかも ね 慰謝料とか よく分からない言葉のままが 幸せだよね とりあえず、 可も不可もないスタンプ 送っておこうかな いつかの春一番で散った桜が 木枯らしに吹かれ坂を下り イルミネーション 点灯とともに色付くアスファルト 通り過ぎた季節の幻想だ こんなに明るい町で これ以上何を輝かせるんだろう いや、 明るい町だからこそ輝くんでしょ この無理矢理買わされた大学の やたら分厚い教科書に大きく油性 マジックで名前を 書いてしまったから ブックオフで売る事が出来ないと 嘆いていた春先 結局、 枕の高さを調整するのに大活躍 まるで静寂が音を立てる様な矛盾 見て見ぬふりするビル風は容赦なく エアコンの室外機で少し暖かさを 感じたっけ 20過ぎたらあっという間だよ なんて、 そこのライブハウスの外でおでん 食べながら 言ってた先輩は 40過ぎたらあっという間だよ なんてため息混じりで 言いやがるから 60になっても同じ事言うんだろうな って笑ったっけ まだ誰かの笑顔の面影が残った 路上で腰下ろすスペース マスク越しに感じる冬の吐息は 例年より暖かいような冷たい様な 点灯式も今年は人がまばら 時間は待ってはくれないから 照れながらの リクルートスーツ 友達で敬語の練習 ビールにも慣れておかないとと 宅飲みもカシスオレンジから 発泡酒へ色を変え 初任給はやっぱり 仕送りのお礼にあてようとか 落ち着いたらみんなで 温泉行こうとか でも、 やっぱりこの坂のコンビニ 前に集合とか ありふれた何かを未来に置くことが ありふれた幸せで ここから先何て 誰もわからないんだから 東京はやっぱりすごいなぁ うちの地元なんて駅前に小さな クリスマスツリーが 1本だけのイルミネーション いや、 あれはイルミネーションとも 言えないか まぁ、それはそれでいいんだけどさ でも、 今年は年末年始も 地元に帰れそうもないなぁ なんて会話が通り過ぎる この坂を天辺まで登ったら渋谷が 一望出来るんじゃないかな イルミネーションの間を吹き抜けた 風 あの頃はここから 世界が一望 出来た気がした この坂を天辺まで登ったら たぶん 今でも世界が一望できる気がする いつかの始発待ち じょじょに赤く染まる夜空を眺め 両手を缶コーヒーで温めながら やがて朝日に消える イルミネーション 今はそんな事を考えながら これからの未来がどうなるのか 不安と期待を 彩ってくれたイルミネーション 今年も変わらず 相変わらず輝いてた いつか必ずまたこの町 さくら坂の上で 見上げるイルミネーションが また夜空との人の間を埋める

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