列車が通るたびに踏み切りの音 木造モルタルの しみったれたアパート このえぐられるように疲れた身体 膝を抱えて過ごした独りの夜 いつものコンビニエンスで 立ち読み時間つぶし 煙草とカップ麺買い帰った 明日を 明日を ただ夢みて生きてきただけ 隣りのゼミで いつも笑ってたあいつ 寂しかったふたりは ぎこちなく寄り添った 「お金も車も何も なかってもいいの このままあなたが いてくれたらいいの」 隣りの声が聞こえる アパートの畳の部屋 初めてあいつとふたりの夜 明日を 明日を ただ夢みて生きてきただけ 排気ガスが溶けてる汚れた雪の日 あいつは白いクーペ 助手席に乗って行っちまった 俺はその夜ひとり 飲めない酒を飲み 道端に座り込む やつらに喧嘩ふっかけた 俺はぼろぼろにされて 薄れゆく意識の中 このまま死んでもいいと思った あいつをあいつを たったひとり愛していたのに 傷つき疲れ果てたこの街の日々 歪んだ心のまま 時だけは過ぎていった 誰にも別れ告げず振り向きもせず 部屋のドアを閉めて ポストの名前外して 灰色の空の下で 青い想い捨て去って いつもと変わらぬ踏み切りを渡った 明日を 明日を ただ夢みて生きてきただけ